内科と耳鼻科の違い

違いについて

 

耳鼻科は主に耳、鼻、のどの領域を守備範囲としていますが、内科ともオーバーラップするところはあり、患者さんからするとどちらを受診すればよいのかは迷われるところだと思います。

例えば、風邪のような症状の場合に内科か耳鼻科か悩むことがあるのではないでしょうか。
実は風邪だけであれば内科でも耳鼻科でもどちらでも大丈夫です。
なぜなら、風邪はほとんどがウィルスの感染によるものであり、免疫がつけばいずれにしても治ってしまうものだからです。

問題になるのは風邪でもありがちな症状が長引くときです。
咳や鼻水、のどの痛みが2週間以上続く場合は、風邪ではない可能性があり、その場合は診療科によって診断や治療方針が変わってきます。

例えば長引く咳の場合、内科では「喘息」と診断される場合が多いですが、耳鼻科では「アレルギー性鼻炎」、「喉頭アレルギー」などと診断される場合があります。
どちらが正しくてどちらが誤りかというと、それほど気にすべき問題ではなく、いずれも正解に近いがすべての病態を言い表してはいないということです。
喘息、アレルギー性鼻炎、喉頭アレルギーというのはいずれも気道のアレルギーであり、合併することも多く、また刺激に敏感で、咳も共通の症状です。
違いというと、アレルギーの部位が多少異なるくらいで、内科で治療を受けても耳鼻科で治療を受けても大きな差はありません。

とはいえ、患者さんからすると結局何科にかかるのが良いのかはわかりにくいところだと思います。そのような場合は、単科に専門特化したクリニックではなく、複数診療科を標榜しているクリニックを受診されるのが安心できるのではないでしょうか。

 

アレルギー性鼻炎(千葉大学病院)