自分が排尿をしようと思っていないときに尿がでてくる状態をいいます。
日常生活のうえで不快や不自由をもたらし、生活の質を低下させます。女性の3、4人に1人が尿失禁を経験していると言われ、加齢や病気による尿失禁は男性にも多く認めます。人に相談しにくいため、ある程度の年齢になると仕方がないと医療機関を受診しない方も多いのですが、実際には、治療のできる病気です。
排尿障害には、尿失禁、排尿困難、頻尿があります。
高齢者だけでも約400万人が症状を有している尿失禁は、原因によって大きく4タイプに分けられます。
「しまり」が悪くなっている状態であり、膀胱を支える骨盤の筋肉(骨盤底筋(こつばんていきん))が弱くなっていることが原因となります。 -->
急に尿がしたくなり(尿意切迫感)、我慢できずに漏れてしまうのが切迫性尿失禁です。
膀胱の収縮筋が過敏になり、尿が少ししかたまっていないのに、膀胱が勝手に縮んでしまうために起こります。膀胱炎、脳血管障害、パーキンソン病などに多くみられるタイプです。
自分で尿を出そうとしても出にくいにもかかわらず、膀胱にたまった尿が意に反し少量ずつ漏れてしまうことをいう。
前立腺肥大症や尿道狭窄などによる尿道の通過障害、神経因性膀胱などによる排尿筋の収縮不全などが原因となります。
身体運動障害の低下や痴呆・認知症、判断力低下を背景として失禁を起こしてしまうタイプの尿失禁です。泌尿器には問題がありません。
大脳・小脳に障害があったり、痴呆症などに多くみられるタイプです。
治療方法は尿失禁の種類や症状によって異なります。
現在の状態を医師に伝え適切な治療を受ける必要があります。